WES1級対策 PWHTの目的について

WES1級 試験対策

おはようございます。

RYOです。

最近東京に行きました。

秋葉原に行きました。

モデルみたいにきれいな人や、カッコいい人が沢山いました。

東京駅で真っ黒ピカピカのレクサスも見ました。

いやーーーーーーーーーーーー羨ましいですね。

さて、今日は、PWHTについて説明していこうと思います。

PWHTの問題はよく出題されますし、業務でも重要な知識なのでしっかりと理解しておきましょう。

例題 2019年11月3日出題 類似問題

PWHTに関する以下の問いに答えよ。

(1)主目的を2つ挙げよ。

解答例)

・溶接部の残留応力を緩和する。

・溶接部に生成された硬化組織を軟化させることで、延性・じん性を向上させる。

(2)施工時に要求される管理項目を3つ挙げよ。

解答例)

・最低保持温度

・最小保持時間

・加熱速度

・冷却速度

・被加熱部全体の温度差

PWHTとは

PWHTとはP(post)W(weld)H(heat)T(treatment)の略です。

Post ~後に

Weld 溶接

Heat 熱

Treatment 処理・処置

日本語訳すると溶接後熱処理という意味になります。

溶接した後に実施する熱処理です。

PWHTの目的

PWHTの目的は3つです。

・残留応力の低減

・硬化組織の軟化

・延性・じん性の向上

特に特に残留応力の低減がメインの目的です。

今日はPWHTにより残留応力が低減されるメカニズムをしっかり理解しましょう!

残留応力の低減

溶接をすると溶接部に残留応力が発生します。

この残留応力は溶接部に有害なもです。

低温割れや、疲労破壊、応力腐食割れ等の発生原因になるものです。

詳しくはWES1級対策 低温割れ(遅れ割れ)についてに記載してますので、一読お願いしやす。

要するに残留応力は毒なので、除去したいのです。

PWHTはこれを低減することができるのです。

メカニズムを説明します。

まず残留応力の大きさはその材料の降伏応力程度になるでしたよね。

詳しくはWES1級対策 残留応力についてに記載しておりますので一読お願いしやす!

というとは降伏応力の高い高張力鋼と降伏応力の低い軟鋼とどっちが残留応力が大きくなると思いますか?

そうです!高張力鋼を溶接した時のほうが大きな残留応力になるという事になります。

つまり材料の降伏応力を下げてやれば残留応力を減少させることができるのです。

PWHTとは熱処理です。

材料の温度を上昇させるという事ですよね。

金属の温度が上がるとなんか柔らかくなりそうな感じしませんか?

金属に限らず、この世の中にあるほとんどのものでそんなイメージないですか?

想像してください。

RYOシアター『鶏むね肉の熱処理』

スーパーで本日限定大特価の鶏むね肉が販売されていました。

超絶安いです。お得です。

高たんぱく低脂質で、健康的です。大量に購入しましょう。

賞味期限内に食べきるつもりはないので、とりあえず1回冷凍庫にぶちこみましょう。

冷凍庫からだしてすぐに包丁で切ろうとしてみてください。

硬い、、、。安物の包丁では切れそうもない、、、、。ってなりましたよね?

ちょっと電子レンジにいれて解凍しましょう! 鶏むね肉を熱処理です。

熱処理工程が終わった後の鶏むね肉を切ろうとしてみてくだい。

あれ???安物の包丁でも切れるぞ!!!!!!!!

RYOシアターご清聴ありがとうございました。

という感じで温度が高くなると鶏肉は柔らかくなりました。

金属も温度が上昇するどんどん柔らかくなってきます。

どんどん降伏応力が低下していくのですね。

PWHTとは溶接後に発生している材料の残留応力を小さくするために1回材料の温度を上昇させるのです。

材料は温度が上昇するにつれて降伏応力が低下していきます。

残留応力の大きさはその材料の降伏応力と同程度になるので、どんどん残留応力が低下していきます。

残留応力が低下するというのは、材料が降伏し、溶接金属部が塑性変形したということです。

残留応力とは溶接金属が変形したい(凝固収縮)という状態に対して母材が溶接金属を引っ張てそれをさせてもらえない力でしたよね。

母材の温度を上昇させて母材の降伏応力低下させることで、溶接金属に変形させてあげるのです。

変形した分の応力が材料中から消え去るのです。

これがPWHTの目的、残留応力を低下させるです。

温度が高くなればなるほど材料の降伏応力は低下します。

じゃー温度を高くすればするほど残留応力を低下させれるじゃないですか!!!

よし温度上げまくれーーー!

、、、、これはダメですよね。

熱処理をすると加熱温度や、冷却速度によって組織が変わってしまうんでしたよね。

そうそうA1変態点を超えるとオーステナイト化が始まって、A3変態点でオーステナイト化が完了するんでしたよね。

PWHTはオーステナイトが生成されない温度で実施する必要があります。

だからA1変態点より50℃程度低い温度くらいで熱処理しないといけないのです。

詳しくはWES1級対策 Fe-C系平衡状態図についてに記載してますので、一読、二読、三読お願いしやす!

ちなみに調質鋼(焼入焼戻し鋼)の場合は、焼戻し温度以下で熱処理しないといけません。

調質鋼を焼き戻し温度以上でPWHTしちゃうと、焼入・焼戻しの熱処理でせっかく作りだした微細な組織が変わっちゃうのよ。

それを避けるために、調質鋼のPWHTは焼戻しの熱処理温度以下でやらないとダメなんですよ。

硬化組織の軟化/延性・じん性の向上について

溶接をすると熱影響部に延性・じん性が失われたかたーーーーい組織ができますよね。

なんでしたっけ?

せーのっ!

マルテンサイト!!!

です。

こいつは常温で含み切れない炭素を無理やり固溶しているかたーい組織でしたよね。

ということで溶接した後に材料の温度を上げて炭素を拡散させてあげましょうというのがPWHTです。

無理やり固溶された炭素が拡散されると、かちかちだったマルテンサイト状態から緩和されます。

焼戻しマルテンサイトという状態になります。

つまり硬化組織(マルテンサイト)が軟化し、延性・じん性が回復するのです。

まとめ

PWHTは溶接した後に実施する熱処理のことです。

目的は溶接部・熱影響部の

残留応力低減

硬化組織の軟化

延性・じん性の向上

です。

材料の温度を上げて材料を柔らかくすることで、残留している応力に降伏させる(材料を塑性変形させる)ことで、応力を緩和させるのです。

材料の温度を上げて炭素を拡散させることで、硬化組織を軟化させて延性・じん性を向上させるのです。

ここまで理解できたらこの例題を解いてみましょう。

PWHTの目的およびそのメカニズムを記せ。

東京で見かけた黒のピカピカのレクサス(LS50後期)の運転手はおじいさんで白い手袋してました。

後部座席にちらっと人影が見えました。

窓は真っ黒だったので、よく見えませんでしたが、誰かが乗車している事は分かりました。

1つだけ言えることがあります。

後部座席に乗っている人は確実に僕よりもお金を稼いでいる。

それだけは言えます。

それだけは確実です。

専属ドライバーがいてピッカピカの高級車の後部座席に乗っている人って一体なんの仕事してるんだろ、なんかカッコいいなぁ。

ピカピカのレクサスの後部座席に乗っている人の人生を想像しながら、歩いているとモデルみたいにカッコいい人にぶつかりそうになって「あっすみません」って小さい声で囁いたRYOでした。

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