おはようございます。
RYOです。
暑いですね。
蝉の鳴き声を聴くと小学校の夏休みの雰囲気を思いだします。
小学校の時は友達やじいちゃんとよく蝉を捕まえに行きました。
なんのために蝉を捕まえていたのでしょう。
今となっては理解ができません。
しかし、何の利益にもならない事に全力を出していたあの頃、毎日が楽しかったです。
虫取り籠をぶら下げて汗だくになりながら蝉を追いかけていたあの頃、今よりもたくさんのものが見えていたような気がします。
さて、今日は溶接用連続冷却変態図(CCT図)について例題を使って説明していこう思います。
例題 2020年11月1日出題 類似問題
HT780鋼のCCT図の例を見て次の問いに答えよ。
青線は連続冷却変態曲線、点線は冷却曲線である。

(1)冷却曲線①で返却した場合、Ac3温度からの冷却時間が2秒の時の組織を答えよ。
解答例) オーステナイト
(2)採用した溶接条件での冷却曲線は③であった。溶接熱影響部の組織はどのようになるのか。
解答例)フェライト・ベイナイト・マルテンサイト
(3)前問(2)の溶接条件より入熱を小さくすると③の冷却曲線は左右どちらに移動するか。
解答例) 左
(4)冷却曲線②で冷却したときに溶接熱影響部のマルテンサイト組織を増やすには、この鋼の炭素当量をどのようにすべきか。
解答例) 増加させる
(5)前問(4)の場合、鋼の焼入性はどうなるか。
解答例) 高くなる。
CCT図とは
CCT図とは溶接後に熱影響部に生成されるミクロ組織を教えてくれる図です。
溶接をすると溶融金属が母材に接触しますよね。
その時母材の温度も急激に上昇します。
このときA3変態点を超える温度にまで加熱されると母材はオーステナイト化します。
オーステナイト状態からどれくらいの速度で冷却されるかによって生成されるミクロ組織が変わります。
それを表しているのです。
オーステナイト状態から素早く冷却されるとマルテンサイトが生成されます。
マルテンサイトのイメージは、熱々の状態から急に冷やされてカチカチに硬くて脆くなった組織です。
オーステナイト状態からある程度時間をかけて冷却されるとマルテンサイトは生成されず、フェライト・パーライトが生成されます。
溶接熱により部分的に母材が熱処理を受けた状態になるのです。
母材の冷却速度や、冷却途中に生成される組織を表すのがCCT図というわけです。
CCT図の使い方
冷却曲線③を例に使って考えてみましょう。

ローマ字A、F、P、B、Mとあります。
これは組織名称を表しています。
A オーステナイト
F フェライト
P パーライト
B ベイナイト
M マルテンサイト
410HV 390HV 290HVは硬度を表しております。
ではCCT図で赤色になっている冷却曲線③を見てみましょう。
①と②と③を比較すると最も冷却速度が遅いです。
そして硬度が最も低いです。
冷却時間20秒あたりを見てください。
600℃近傍でオーステナイトからフェライトへの変態が始まっております。
そして冷却時間40秒あたりを見てください。
500℃近傍でベイナイト変態が始まっております。
ここでの組織はフェライト+ベイナイトになっています。
そして冷却時間100秒あたりを見てください。
400℃近傍でマルテンサイト変態が始まっております。
よって常温ではフェライト+ベイナイト+マルテンサイトの混合組織となり、その硬さは290HVとなります。
このようにして使うのです。
では冷却曲線①が生成させる常温時の組織とその硬さは?
そうです。
100%マルテンサイトの組織となり、その硬さは410HVですね。
400℃近傍でマルテンサイト変態が開始します。

では冷却曲線②が生成させる常温時の組織とその硬さは?
そうです。
ベイナイト+マルテンサイトの混合組織となり、その硬さは390HVですね。
460℃近傍でベイナイト変態が始まり、400℃近傍でマルテンサイト変態が始まっています。

また、冷却曲線①において冷却時2秒の時の組織ってなんでしょうか。
そうですね。
オーステナイトですね。

これがCCT線の使い方です。
マルテンサイトは冷却速度が速いほど生成されやすいことが分かりますね。
マルテンサイトを生成したくない時は、冷却速度を長くしてやれば良いという事です。
ちなみに溶接の入熱を小さくすると冷却速度は短くなるのです。
入熱量が小さいとすぐに冷めちゃうからです。
反対に入熱量が大きいとなかなか冷めないです。
溶接の入熱量によっても冷却速度は変わります。
焼入性について
焼入性とはマルテンサイトのできやすさを表します。
例えば「Aの材料は800℃から常温まで300秒以上の時間掛けて冷ませばマルテンサイトは生成されないが、Bの材料は400秒以上掛けて冷ましてもマルテンサイトが生成される」というケースを考えてみてください。
この場合、マルテンサイトが生成されやすいのはBの材料です。
つまり「Bの材料の方が焼入性が高い」と言えます。
ではAの材料とBの材料でちがうものはなんでしょうか。
それは炭素当量(Ceq)です。
炭素当量(Ceq)次の式で表します。
炭素当量(Ceq)= C + Si/24 + Mn/6 + Ni/40 + Cr/5 + Mo/4 + V/14(%)
これは覚えておく必要はありません。
ただ数値にもっとも影響を与えているのはC(炭素)であることは理解しておきましょう。
炭素当量(Ceq)が高くなるほど焼入性が高くなります。
炭素当量が多いほどオーステナイトが安定化するのです。
オーステナイトが安定化するという事はより低い温度でもオーステナイトが存在できるという事になります。
すなわちオーステナイト→フェライトの変態が遅れるようになるのです。詳しくはWES1級対策 Fe-C系平衡状態図についてを参照ください。
CCT線図A

CCT線図B

CCT線図AとCCT線図Bを比較してください。
CCT線図Aは例題と同じ状態です。
CCT線図Bは例題の冷却変態曲線を右に動かした図です。
どちらが焼入性が高いといえるでしょうか。
そうです。
CCT線図Bの方が焼入性が高いですね。
CCT線図AとCCT線図Bの冷却曲線②を見てみましょう。
CCT線図Aでは常温で生成される組織はベイナイト・マルテンサイトですが、CCT線図Bでは100%マルテンサイトが生成されます。
つまりCCT線図Bの方がマルテンサイトが生成されやすい。
だからCCT線図Bの材料の方が焼入性が高い材料であるといえます。
すなわちCCT線図Bの材料の方が炭素当量(Ceq)が高い材料であるという事になります。
焼入性が高くなると冷却変態曲線は右へ、冷却曲線の場合は左へ移動します。
覚える必要はありません。
マルテンサイトができやすいのはどっちかな?という視点で考えれば分かると思います。
まとめ
CCT線図とは材料毎に溶接時の熱影響部の冷却速度によって生成されるミクロ組織を表したものである。
炭素当量(Ceq)が高いほど焼入性は高くなる。
焼入性が高いほどマルテンサイトが生成されやすくなる。
焼入性が高くなると冷却変態曲線は右へ、冷却曲線の場合は左へ移動する。
ここまで理解できたらこの例題を解いてみましょう。
HT780鋼のCCT図の例を見て次の問いに答えよ。
青線は連続冷却変態曲線、点線は冷却曲線である。

(1)冷却曲線③で返却した場合、Ac3温度からの冷却時間が10秒の時の組織を答えよ。
(2)採用した溶接条件での冷却曲線は③であった。溶接熱影響部の組織はどのようになるのか。
(3)この鋼の炭素当量が増加した場合、冷却変態曲線は、左右どちらに移動するか。
(4)冷却曲線①で冷却したときに溶接熱影響部のマルテンサイト組織を減らすには、この鋼の炭素当量をどのようにすべきか。また、冷却速度をどのようにするべきか。
(5)前問(4)の場合、鋼の焼入性はどうなるか。
実は僕165センチしかない男の子なのです。
すみません。見栄張りました。
実は160センチしかないのです。
すみません。またまた見栄張っちゃいました。
159センチです。
身長高い男の人ってやっぱり格好良いですよね。
ないものねだりという言葉がありますね。
例えば天然パーマの人は直毛の人を羨む。
そんな人見たことあります。
逆に直毛の人は天然パーマの人を羨む。
そんな人も見たことあります。
身長低い男の子が身長が高い男の子を羨む。
見たことあります。
身長が高い男の子が身長が低い男の子を羨む。
んー。見たことありません。
ないものねだりという言葉は全ての事象には成り立たない言葉だと思います。
今日も最後まで見てくれてありがとうございます。
WES1級やWES特別級、非破壊検査(UT、PT、MT、RT)の試験問題等で質問等あれば、コメントしてください。
身長を伸ばしたいRYOでした。


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